そのトレーダー神山と出会ったのは、
エンジニアの会社に就職して3年が過ぎようとしていたときだった。
当時、まだ23歳だったリョウは都会にでれば何か変われるのではないかと
安易な考えで地方から東京に出てきてエンジニアとして働いていた。
自分の時間を犠牲にしてまで会社の為にサラリーマンとして
束縛されながら生きていく生活にはうんざりしていた彼は、
ネットワークビジネスのセミナーや自己啓発にも足を運んだり、
起業して成功している社長や投資家などに会い、
彼らの成功の秘訣を聞いてまわっていた。
株の投資もやっていたが、最初は利益が揚がったことも
あったものの、その後は散々たる結果だった。
東京にでてきて3年もたったのに、
何も変わっていない生活に、正直あせっていた。
このまま地方に戻ったら、失敗して戻ってきたと笑われてしまう。
なんとか、人生を変えるきっかけをつかまなければ、と毎日考えていた。
そんなとき、この神山と出会ったのだ。
そのときはまだ、この出会いがリョウの人生に
大きな転換をもたらすとは思いもしなかった。
待ち合わせた喫茶店に向かうと、
そこには40代の少ししゃれた感じの中年男性が座っていた。
「よくきてくれたね。私がこうやっって昔のことを話すのは何年ぶりになるだろう。
私も20代は君と同じように成功したいと考える自分と現実の生活にギャップを感じてあせっていたものだ。」
神山は生い立ちから、何度も起業して失敗したこと、
ドン底からトレードをどうスタートさせて今にいたったかという話をかいつまんで話してくれた。
どのエピソードもリョウが多くの人々との出会いで
聞いた中で、いちばん刺激的なものだった。
子供の頃、親の再婚で学校でも家でも居場所のなかった
神山は、武道を習い自己改革を成し遂げて強くなった。
社会に出て何度失敗しても、起業を諦めず立ち上がってきた彼が、
ようやく成功をもたらしてくれたのがトレードだった。
トレードで生活ができるようなった後、
トレードスクールを経営する社長になっていた。
彼はこんな提案を持ちかけてきた。
「エンジニアの君にお願いしたいことがあるんだけど、聞いてもらえるかい」
「トレードでは検証することが大切なんだが、その検証を君にやってもらいたいんだ」
「その代わり、トレードで儲かる秘訣を教えようじゃないか」
リョウはこんなチャンスは滅多にないと思った。
この人に、トレードで成功する秘訣を聞けるとしたら、
もしかしたら変われるかもしれない!と運命に近いものをリョウは感じた。
「わかりました。あなたのいう検証のお手伝いをします。
その代わり、ぜひあなたのトレードの秘訣を教えてください。」と答えた。
さて、神山との衝撃な出会いがあったリョウですが、これから彼の人生はどのよう
に変わっていくのでしょう。
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