私、村居孝美が現在トレードの柱にしているのは、売買ロジックの作成と運用を総合的に行える、システムトレードのプラットフォーム「KENSHIRO-225」です。
この記事では、ケンシロウにはどのような背景があり、なぜ利益を出せるかを解説していきます。
ケンシロウで欧米のプロトレーダーの手法を再現できる
投資書籍を読みあさり、欧米のプロと実際に会って分かったこと
私が投資に取り組み始めたのは、今から15年以上前。経営していた会社を畳み、裸一貫で再スタートした時期です。
この時期にどうやって投資を勉強したかというと、ひたすらネット上の記事や関連書を読みあさり、その内容を手動、またはエクセルや過去の株価データを使って検証して、実際の結果を自分の目で確認していきました。
毎日相場に張り付いて、パターンにはまった銘柄のチャートパターンをノートに書き写したり、その後の経過などの研究にも没頭しました。どうしてもわからないことがあれば、プロトレーダーの方に質問をしたりして解決しました。
今は株やFXなど日本人が書いた投資解説書がたくさんありますが、当時はあまりそういった本はなく、多くは欧米のプロトレーダーの投資手法や考え方をまとめたものでした。
そういったものを、片っ端から読みまくったんです。今では古い本はだいぶ捨ててしまいましたが、オフィスの書棚に重要だと思う本は残してあります。
また、実際に好成績を収めているプロトレーダーに直接会いに行き、彼らの話を聞く機会にも恵まれました。私が特に目標にしているのは、ロビンスカップという世界的な投資のコンテストで、記録的な圧勝をしたラリー・ウィリアムズです。ヴァージン諸島の彼の別荘に招待してもらったのも懐かしい思い出です。
簡単な操作で彼らの手法が再現できる
本や聞いた話を総合すると、欧米のプロが結果を出している投資手法はにひとつの共通点があります。それは「相場のクセ」見つけ、それにしたがってトレードをしていることです。例えば一定のタイミングで相場が上がるクセがあるなら、それを狙って買いエントリーをして利益を得ます。
この共通点については後でもっと詳しく解説しますが、私が開発したKENSHIRO-225は、この相場のクセを見つけ、そのクセを利用して利益を得るための投資ソフトです。
なお、私はパソコンが苦手ですが、ケンシロウはそんな私でも問題なく使いこなせるようにできています。
つまり簡単な操作で、欧米のプロが得意とする運用手段を、個人投資家が再現できるのがケンシロウというわけです。
欧米のプロと日本の個人投資家の決定的な違いは「季節性」
日本の投資情報は偏っている
私が投資を始めたころと比べると、現在は非常に投資を学べる環境が揃っています。書籍はたくさん書店に並んでいますし、インターネット上には無数の記事があります。
ですが、こういった私たちが手に入れやすい情報には、よろしくない偏りがあると感じています。具体的には、「テクニカル分析」の情報が圧倒的に多く、それに「ファンダメンタルズ分析」の情報が続きます。
テクニカル分析とは、ほぼチャート分析と同じ意味です。時系列に沿って記録されたそれまでの価格推移から、これからの相場変動の見通しを立てます。ローソク足の値動きそのものや、移動平均線、ボリンジャーバンド、MACD、ストキャスティクスといったテクニカルインジケーターを用います。
ファンダメンタルズ分析とは、株式なら企業の業績、FXなら金利や経済政策、それに要人の発言や世界状況、地政学といった要素から、未来の値動きを予想する分析のことです。
テクニカルもファンダメンタルズも、もちろん相場の分析をするためには非常に有効であり、勉強したり活用したりするのはもちろん良いことです。問題なのは、「テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析以外の情報が非常に少ない」こと。
欧米のプロトレーダーは、そして私は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析もしますが、それ以上に既に述べた相場のクセを重視します。
そして、この相場のクセに基づいて、機械的にされるトレードが「システムトレード」、「シストレ」となります。
投資判断にはコンディション条件が不可欠
分かりやすいので、相場のクセと表現してきましたが、投資書籍や欧米のプロは、「季節性」という言葉を使って、時折現れる相場のクセを表現することが多いです。よってこの記事でも、ここからは季節性という表現を使っていくことにします。
ラリー・ウィリアムズは、あるメディアのインタビューの中で、「あなたはテクニカルトレーダーですか?」と質問され、「いいえ、私はコンディショナルトレーダーです」と回答していました。
コンディショナル(conditional)は、コンディション(condition)の形容詞です。ここでのコンディションは「条件」という意味に近いですから、つまりラリーは自分のことを「条件に基づいてトレードをする投資家」と表現したわけです。
この条件とは、もちろん季節性と同じ意味です。ラリーの圧倒的な投資成績の根幹になるのものは季節性であり、記録的な圧勝劇も季節性に基づいたトレードの結果であるといえます。
ケンシロウはこうやって利益を出す
ここからは、私が開発したケンシロウで、どうやって相場の季節性を利用して有利なトレードをするかを解説していきます。
自分で季節性を調べてロジックが構築できる
こちらはケンシロウ225の、ロジック作成画面の一部で、「どのタイミングで売買するか、あるいはしないか」という日付の設定ができます。
- 第1木曜日は調子が悪い
- 毎年5月は調子が良い
- 年末年始は休んだ方が良い
こういったことが調べられます。
プログラム知識は不要
この画像も、ケンシロウ225のロジック作成画面で、移動平均線を条件にしたロジック作成ができます。
ケンシロウでは、すべての条件が日本語で表示されているので、プログラムの知識がまったくなくても売買ロジックの作成ができます。
バックテストが詳細かつ高速
こちらは、とある売買ロジックを2007年~2020年まで運用した場合のバックテスト結果です。
損益曲線はもとより、どれくらい儲かったか、勝率、最大ドローダウン、最大連勝、最大連敗などが日本語で分かりやすく表示されます。
またバックテスト自体も非常に高速で、13年間のテストであっても10秒くらいで完了します。
資金管理も簡単
ケンシロウは、資金管理が非常に簡単です。バックテストで導き出された最大ドローダウン(最も資金が減った谷の深さ)を基準に、どれくらいのリスクを取るかという考え方で、運用に必要な資金が割り出されます。
この画像の場合なら、過去の最大ドローダウンに対して20%のリスクを取るという設定にしています。この考え方は非常に重要で、分かりやすい金額例で説明すると、過去の最大ドローダウンが20万円なら、100万円の資金を用意すれば、全資金に対して20%のドローダウンとなります。
もちろんこの20%というのは方針次第で、リスクをある程度取って攻めるのならもっと高い数値にして良いですし、よりリスクを抑えるのなら5%、10%にしても良いでしょう。
マルチストラテジー運用でリスクを抑え安定感が増す
複数の売買戦略を組み合わせるのが当たり前
さて、ここからはシステムトレード、ケンシロウの神髄に迫っていきます。
また欧米のプロトレーダーの話になりますが、彼らの中で一つだけの売買手法でトレードをしている人は一人もいません。誰もが複数の売買ロジックを組み合わせたポートフォリオで運用しています。私もそうです。
なぜかというと、どれだけ優れた売買手法であっても、必ず調子が悪い時期が来ます。世の中に、トータルでお金を増やせるやり方は存在しますが、ドローダウンが発生しないやり方はありません。
なので、手法同士を組み合わせて、ドローダウンの谷が浅くなる組み合わせを探すことが大切です。
手法Aと手法Bがあったとして、ぜんぜん違う条件で売買をしていて、ドローダウンする時期は重ならないと良い組み合わせの可能性があります。Aが不調な時期はBが頑張り、Bが不調な時期はAがその穴を埋めます。このように2つの手法を併走させて、取引ロットが2倍になったとしても、ドローダウンの深さが2倍にならなければ、その2ロジックのポートフォリオは機能していると判断できます。
これがポートフォリオ運用の、もっともベーシックな考え方になります。
ケンシロウはポートフォリオのバックテストが簡単
有効なポートフォリオを組むためには、組み合わせて運用してどういう取引結果になるかを調べなければいけません。
ケンシロウでは、複数ロジックを用いたバックテストが非常にお手軽に実行でき、先ほど解説した資金管理画面と一体化しています。
こちらは複数のロジックを同時に運用した場合のバックテスト結果です。総合的な損益やドローダウンなどが一覧表示されているので、ポートフォリオの有効性が一目瞭然。
最大ドローダウンを見ると24万4000円ほどなので、100万円の資金でスタートすればバックテスト上の最大リスクを24%ほどに抑えることができるため、なかなか安全重視な運用といえます。
主流の自動売買、シストレとケンシロウを比べてみる
ケンシロウはオプション機能を使えば売買を完全自動化できます。ですが、今主流になっている自動売買やシステムトレードとはかなり性質が異なります。ここでは、MT4のEA、リピート系、ケンシロウを比較してみたいと思います。
MT4のEA | リピート系自動売買 | ケンシロウ | |
対象の銘柄 | FX、CFD | FX、CFD | 日経225先物、ETF、FX(FXは2021年春にリリース予定) |
運用の環境 | MT4対応の証券会社に口座を開設後、EA(自動売買のプログラム)を入手し稼働させる | サービスを提供している証券会社の口座を開き、その口座のシステム内で稼働。トラリピ(マネースクエア)、ループイフダン(アイネット証券)などが有名 | ケンシロウ内で売買ロジックを作成し、サイン通りに対応している口座で手動売買。あるいは専用の自動売買サービスを導入し、売買を自動化 |
どういう運用? | EAがプログラム内容通りに売買 | 相場の一定の範囲に等間隔に注文を仕掛けることで、その範囲内の値動きが続く限り利益確定も繰り返される | 季節性に基づいて出たシグナルにしたがって売買 |
得意な相場、苦手な相場 | EAのロジックにより、相場の得手不得手が異なる | 長期的なトレンドがなく、一定の範囲内を価格が往復し続ける相場が理想 | 相場に合わせて複数のロジックを作成、併用するので、対応できない相場は原則的にない |
売買自動化 | できる | できる | できる |
売買ロジックの把握 | できない | できる | できる |
売買ロジックの自作 | 高度なプログラミング技術が必要 | できる | できる |
損切り | EAが自動実行 | 基本的には損切りをしない売買手法 | ロジックに決済条件は必ず組み込まれる |
売買ロジックの調整 | 一部できる | できる | できる |
日本語での操作 | 一部できない | できる | できる |
バックテスト | できる | ほぼできない | できる |
ポートフォリオのバックテスト | できる | ほぼできない | できる |
短期売買 | できる | 向いていない | 向いていない |
パソコンの電源オフ | できない | できる | できる |
最低資金の目安 | 10万円くらい | 50万円くらい | 50万円くらい |
MT4のEAとは?
MT4とは、世界的に普及しているFX(一部CFD)の総合的トレードプラットフォームで、チャート分析だけでなく自動売買が非常に得意です。
MT4の自動売買は、EAというプログラムを用いて行います。EAとは、売買の条件が記述されたファイルで、内容が商品そのものであるため、投資家が具体的な売買ロジックをしることはできません。
リピート系とは?
リピート系とは、トラリピやループイフダンに代表される、相場の往復を狙う自動売買です。図のように、一定範囲内を価格変動するたびに新規建てと利食いが繰り返されるので、レンジ相場に強い運用です。
重要なのは、自分に何が向いているか
ケンシロウを似ている運用と比較していますが、優劣をつけるためではありません。それぞれにメリット、デメリットがあり、重要なのは自分に向いているか、そうでないかです。
これらの違いの中で、私がもっとも重要だと思うのは、「売買ロジックの把握」。EAはプログラムされている取引手法が秘密なので、どういう条件でトレードをしているか分かりません。これに対してリピート系、ケンシロウは、売買ルールが最初から分かっていますから、勝因も敗因もはっきりします。
非常に個人的ですが、私は中身が分からない自動売買はできません。信用できないからです。でもケンシロウは自分で売買ロジックを作れるため、相場とかみ合えば結果は出るし、かみ合わなければ結果は出ません。
ケンシロウに向いているのはどういう人?
これまでいろいろな方にケンシロウを使ってもらっていますが、経営者タイプのメンタルを持つ、あるいは戦略家の人はケンシロウと相性が良く、投資成績も良い傾向にあります。なぜなら、ケンシロウではプレイヤー目線以上に監督目線が求められるからです。
裁量トレードは選手のメンタル
デイトレード、スキャルピングといった裁量トレードは、自らの能力で、現場で利益を得ようとする考え方、行動です。野球やサッカーのチームでいえば、選手の役割です。
システムとレードは監督のメンタル
ケンシロウのようなシストレでは、複数のロジックを相場に合わせて使い分けます。相場に対して直接トレードをするわけではなく、監督の目線で展開に合わせた選手起用をします。
このような棲み分けがあるため、組織全体を動かすことに慣れている経営者や管理職、自分で全ての業務をこなす自営業者の方は、ケンシロウと相性が良いのではと思います。
KENSHIRO-225の運用実績
2020年の運用成績
2020年のKENSHIRO-225の取引結果です(各ロジックをミニ1~2枚で運用)。
マイナスになった月もありましたが、それ以上に3月、6月、8月、10月、11月に大きく稼ぎ、トータルでは89万2000円のプラスになりました。
2019年の運用成績
2019年のKENSHIRO-225の取引結果です(各ロジックをミニ1~2枚で運用)。
この年は月単位で見ても全勝でした。合計で150万9500円の利益となりました。